設備改善・自動化シリーズ【第8|10回】 ベテランに頼らない治具作り ― “技能を構造に変える”現場設計の考え方 ―
多くの町工場で直面している問題です。
ベテランしかできない作業がある
若手が育たない
作業品質にバラつきがある
さらに
ベテランの退職
人材不足
が重なり
「技術が消えるリスク」
が現実的になっています。
問題の原因
この問題の本質は
「技能が人に依存していること」
です。
① 感覚に頼っている
手の感覚
経験による判断
👉 言語化されていない
② 手順が曖昧
作業のやり方が人によって違う
👉 再現性がない
③ 判断が多い
毎回考える必要がある
👉 ミスの原因になる
解決方法(技術解説)
解決の鍵は
「技能を治具に置き換えること」
です。
① 位置決めの固定化
ベテランは
微調整で位置を出す
これを
ストッパー
ガイド
ピン
で
👉 誰でも同じ位置になる構造
にします。
② 動作の単純化
複雑な手順 → NG
1動作で完結 → OK
👉 迷わない作業設計
③ 力加減の排除
押し込み具合
締め付け具合
を
クランプ機構
トルク制御
で置き換えます。
👉 感覚を排除
④ 向き・順序の制御
間違った向きで入る → NG
正しい向きしか入らない
👉 ミスできない構造
⑤ 見れば分かる設計
説明が必要 → NG
見れば理解できる
👉 教育不要
実際の事例
ある組立工程で
ベテランのみ対応可能
新人はミスが多い
という課題がありました。
原因は
部品位置を手で調整
向き判断が必要
でした。
改善として
位置決めピン追加
ガイド形状設計
逆向き防止構造
を導入。
結果
新人でも即作業可能
不良ほぼゼロ
教育時間大幅削減
👉 技能の“見える化”に成功
技術者の視点(設計思想)
重要なのは
「人を育てる前に、仕組みを作る」
ことです。
人に頼る → 不安定
構造に頼る → 安定
👉 再現性がすべて
暗黙知の形式知化の重要性
ベテランの技術は
無意識の動き
経験則
で構成されています。
これを
治具
構造
ルール
に変換することで
👉 会社の資産になる技術
になります。
トヨタの「自工程完結」の考え方
ベテランに頼らないということは
誰でも同じ品質が出る
ということです。
👉 工程内で品質を作る設計
になります。
トヨタの品質設計(FMEA・DRBFM・FTA)
技能を構造化する際には
想定外の使い方
誤操作
劣化
を考慮します。
👉 ミス前提の設計
が重要です。
まとめ
ベテランに頼らない治具作りのポイントは
位置決めの固定化
動作の単純化
力加減の排除
向き・順序の制御
見れば分かる設計
そして本質は
“技能を構造に変えること”
です。
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