居住地の三重県いなべ市では、年明け早々に商工会主催の新春賀詞交流会がありました。

地元企業の経営者や各企業の決済者の方達が集まることで、

いなべ市の地域としての課題・方針について市長から発信され、

また、経営者同士の交流が開催されました。

市の方向性として、例えば「モノよりコト」の消費の変化より、

田植えや魚取りなどの自然の体験を活かした

学生さん向けの修学旅行生の誘致などの検討内容は大変興味深いものがありました。

(従来の修学旅行のイメージは例えば金閣寺の観光名所の拝見内容が多く、

 より体験・経験を重視した戦略を練りたいとの思いが伝わってきました)

また、経営者同士の交流会では、ものづくりとは本来ご縁が無さそうな

ご年配の方向けの介護福祉施設を運営するNPO法人の方に出会い、意気投合をしました。

私は以前から製品はお客様のためにあり、既存の製品でまだまだ困っている・

改良をして欲しいなどの製品を使って頂く方のニーズに対して、

いつか私自身が少しだけでも進化させるためにお役立ちをしていきたいと考えていたため、

様々な声を聞きたくアプローチをさせて頂き、

施設にお伺いをする日程のアポイントを取り付けました。

施設を訪問した際の実際の会話では、認知症の方は座っている状態から立ち上がる際に

立ち上がり方を忘れてしまう事から、座った状態から足を引き、

体を丸め、へそを覗くように立ち上がると、今まで立てなくなってしまったと

感じて知る方に対しても、補助が無くても

立ち上がる可能性の術を教えて頂きました。

人というのは、あまりに無意識、無感情の動作は驚くほど無頓着で、

立ち上がり方を忘れた方は、座った状態に対して頭の位置を変えずに立ち上がろうとして、

なかなか立ち上がれないことがあるようです。

また、寝返りをする際に、赤ちゃんの寝返りは膝を丸めた状態からコロンと寝返るように、

大人の場合は、立膝をたてて、腕を伸ばした状態で手を組み、

その腕の甲に対してちょっとした荷重を加えると

簡単に寝返りがうてる補助が出来るなど、様々な介護補助技術を教えて頂きました。

(文面だけではなかなか伝わらないですがご了承下さい)

このような内容は、実際に体験してみて初めて実感することで、

私の人生観においては、全く目新しい技術内容であり、

今回もまた、「知識」のみではなく、「体験、経験」により学ばせて頂きました。

敢えてこちらの業界にあてはめるのであれば、

人間工学にもつながる非常に有益な話し合いでした。

ちなみに介護業界では手すりは、「引く」というよりは、「押す」ためのサポート基材で、

一般家庭の手すりよりははるかに低い位置を希望の様です。

椅子も、360mm、380mm、400mmと年齢や体格、性別に合わせて

事細やかに変化させている介護福祉現場に対して、

本当に設計士として色々な発見がございました。

(こういう声をキチンと丁寧に集める事で、

 自分の人生観に囚われない、様々な現場が必要としている、真の困りごとに沿った

 製品設計が出来るのではないかと考え、私の研究/勉強の範囲で活動を続けていこうと

 考えております。)


さらに別日では、京都産業大学の学生の卒業発表会に参加をさせて頂きました。

そもそものきっかけは、私自身が2年ほど前に移住者として

いなべ市に引っ越しをしてきており、京都産業大学からいなべ市役所の観光課を経由して

私に移住調査のアンケートのご依頼があったことからのご縁で発表会に

参加をさせて頂きました。その機会により、大学准教授の方や学生さんだけではなく、

市役所職員や一般社団法人グリーンクリエイティブいなべを設立して活動して

いなべ市の地元発展の貢献をされている方とお知り合いになり、

私自身も得意のものづくりを活かした地域発展に何かしらのご協力が出来ないかと

お話をさせて頂き、今後様々な活動にも参加をさせて頂きたい旨の

アプローチをさせて頂きました。

まずは、身の回りの取り巻く環境や地元から着実に顔を広げていく事で、

ものづくりにおける認知を周囲の方にして頂き、小さな実績を積んでいくことで、

着実に経営地盤を固めていきたい思いがあります。

とはいえその思いとは裏腹に、もう少しペースを上げる必要性があるのでは無いかとの

焦りを感じる時があります。自身の経営基盤を築き上げる難しさを肌身で感じます。

今月は溶接や塗装などが存分に行えれる作業場所を対価の話をすることもなくお借りして

確保することもでき、声がけ月間としては良い成果は得られたと感じております。

(これで、広大な敷地面積の広場と作業施設を入手しましたので、

設計から制作及び販売ルートを少しずつ開拓して、ものづくり環境整備としても

成果が出ているのではないかと実感しております)


異業種交流会でも私の人生観とは異なる思想や仕事内容で面白い学びもあります。

仕事の受発注というよりは、様々な人生観に触れる良い機会として

私は活用をさせて頂いております。


今度は、趣味のバイクレストアやDIY関連などのオフ会等の参加を検討しており、

様々な方の「生の声」を聴くための方法について模索をしているところです。

総務省統計局を含む様々なデータ机上論の話のみにならないよう気を付けて、

なるべく、設計で学んだ現地現物による「現場の生の声」を

実際に聴きにいく事が大切だと、最近は常々感じております。


アイデアに煮詰まっている時こそ、初心を忘れていないのかの

行動、思想から今月は行動そのものを見直してみました。

皆さん、理屈理論のみの思考や、行動のマンネリ化はございませんか?

世間の広さを実感します。