古い設備トラブルシリーズ【第4|10回】 古い設備を長く使うための設計 ― 壊れない設備に変える「予防設計」という考え方 ―
現場の悩み
現場でよく聞く声があります。
また同じ部品が壊れた
修理しても数ヶ月で再発する
設備が古くてトラブルが多い
そのたびに
修理対応
部品手配
生産調整
を繰り返していると、現場の負担は大きくなります。
そして次第に
「この設備は仕方ない」
という空気になってしまうことがあります。
しかし実際には
壊れる設備には“理由”があります。
問題の原因
古い設備でトラブルが繰り返される原因は、主に次の3つです。
① 設計が現場条件に合っていない
設備は導入時の条件で設計されています。
しかし実際の現場では
使用頻度が増えている
負荷が変わっている
環境が変化している
など、条件が変わっていることが多いです。
② メンテナンス性が考慮されていない
古い設備では
分解しにくい
調整しにくい
消耗品交換が大変
といった構造になっていることがあります。
結果として
適切なメンテナンスができない
状態になります。
③ 弱点が放置されている
繰り返し壊れる箇所は
設計上の弱点
である可能性が高いです。
しかし
とりあえず直す
元に戻すだけ
という対応では、問題は解決しません。
解決方法(技術解説)
古い設備を長く使うためには
予防設計(壊れる前提で設計する)
という考え方が重要です。
① 故障モードを把握する
まずは
どのように壊れるのか
を整理します。
例えば
摩耗
疲労破壊
焼き付き
緩み
などです。
これを把握することで、対策が明確になります。
② 消耗部品として設計する
壊れる部品は
「消耗品」として設計する
ことが重要です。
具体的には
交換しやすい構造
安価に作れる形状
調整可能な設計
にします。
③ 材料・構造の見直し
再発している部品は
材料強度不足
表面処理不足
構造的な無理
がある可能性があります。
そのため
材料変更
熱処理追加
形状変更
などを検討します。
④ メンテナンス性を向上させる
設備を長く使うためには
整備しやすさが重要
です。
例えば
カバーの簡易脱着
調整機構の追加
給油ポイントの見直し
などです。
実際の事例
ある工場で、搬送装置のチェーンガイドが頻繁に摩耗していました。
状況は
半年ごとに交換
交換作業に時間がかかる
部品コストも高い
というものでした。
対応として
材料を耐摩耗樹脂に変更
ガイドを分割構造に変更
交換作業を簡略化
しました。
結果として
寿命が約3倍に向上
交換時間を半減
することができました。
技術者の視点(設計思想)
重要なのは
「壊れない設計」ではなく「壊れても困らない設計」
です。
すべての部品は、いずれ壊れます。
しかし
壊れる場所をコントロールする
交換しやすくする
ことで、設備全体の安定性は大きく向上します。
暗黙知の形式知化の重要性
現場では
「ここはよく壊れる」
「ここは注意が必要」
といった知識が共有されています。
これを
図面
注意書き
メンテナンス基準
として残すことで
組織としての設備対応力
が向上します。
トヨタの品質設計の考え方
予防設計では
FMEA(故障モード影響解析)
が有効です。
どこが壊れるか
壊れるとどうなるか
どう対策するか
を事前に整理することで
トラブルを未然に防ぐ設計
が可能になります。
まとめ
古い設備を長く使うためには
壊れてから直すのではなく、壊れる前提で設計すること
が重要です。
ポイントは次の通りです。
故障モードを把握する
消耗品として設計する
材料・構造を見直す
メンテナンス性を向上させる
設備は工夫次第で、まだまだ使い続けることができます。
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