治具設計シリーズ【第8|10回】 検査治具の作り方 ― 誰でも同じ判定ができる仕組み設計 ―
現場の悩み
現場ではこんな問題が起きていませんか?
人によって合否判定が違う
測定値にバラつきがある
検査に時間がかかる
OK/NGの判断が曖昧
結果として
不良流出
過剰品質(本来OKなのにNG)
が発生します。
問題の原因
検査が安定しない理由は明確です。
① 人の感覚に依存している
目視
手触り
経験
これらはすべて
個人差が出る要素
です。
② 測定基準が曖昧
測る位置がバラバラ
当て方が違う
測定条件が一定でない
結果として
同じものでも違う結果になる
状態です。
③ 測定しにくい形状
小さい
不安定
持ちにくい
これにより
測定自体が難しい
という問題があります。
解決方法(技術解説)
検査治具の目的は
「判断を人から切り離すこと」
です。
① 一意位置決め
まず最も重要なのは
測定位置を固定すること
です。
基準面
位置決めピン
Vブロック
これにより
誰でも同じ場所を測れる
状態にします。
② 測定姿勢の固定
測定のバラつきは
姿勢の違いで発生します。
水平保持
垂直保持
支持点の固定
→ 測定条件を統一
します。
③ OK/NG判定の仕組み化
理想は
数値を見ない検査
です。
例:
通り・止まりゲージ
ランプ表示
色で判定
→ 誰でも瞬時に判断可能
になります。
④ クランプ機構の導入
手で持つ → NG
固定する → OK
これにより
ブレを完全排除
できます。
⑤ 接触条件の統一
測定では
押し付け力
接触位置
が重要です。
スプリング機構
ガイド機構
により
一定条件で測定
できるようにします。
実際の事例
ある加工部品の検査で
測定値にバラつき
検査時間が長い
という問題がありました。
原因は
手持ち測定
測定位置が曖昧
でした。
そこで
専用検査治具を設計
一意位置決め
ダイヤルゲージ固定
ワンタッチクランプ
を導入。
結果
測定時間 半減
バラつき大幅減少
誰でも同じ判定
を実現しました。
技術者の視点(設計思想)
検査治具で重要なのは
「測る」ではなく「判定する」こと
です。
数値を見る → 人依存
判定する → 仕組み化
ここを意識するだけで
設計思想が大きく変わります。
暗黙知の形式知化の重要性
熟練者は
どこを測るか
どのくらい当てるか
を感覚で理解しています。
これを
治具構造
測定位置
判定方法
として落とし込むことで
全員が同じ検査をできる状態
になります。
トヨタの「自工程完結」の考え方
理想は
作業と同時に検査が完了する状態
です。
セット=検査完了
加工=品質保証
このレベルまで落とし込むと
検査工程そのものが不要
になります。
トヨタの品質設計(FMEA・DRBFM・FTA)
検査設計では
測定漏れ
判定ミス
治具誤使用
といったリスクがあります。
これらを
事前に想定し排除する設計
が重要です。
まとめ
検査治具設計のポイントは
一意位置決め
測定姿勢の固定
判定の仕組み化
クランプによる安定化
接触条件の統一
そして本質は
“測定する”のではなく
“誰でも同じ判定ができる仕組みを作る”こと
です。
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