技術伝承をした後進の方からのご質問
 笊畑さんと仕事をしなくなって5年ほど経過しましたが、
 「現在の笊畑さんが今 何を考えているのか」
 「知らないことを手繰り寄せる設計手法、方法について」
 「生活の中での設計体験談等」
 なんでも良いので自由意見・思想を教えて下さい。
 と問い合わせ連絡がありました。


笊畑の回答
 私が〇〇さんに技術伝承をした時期は
 「設計者の考え得る安全率1は本当に1なのか?」を
 その時期の休日は、あえて机上計算で理論上 安全率1のモノを作成し、
 故障モードの観察をすることで、実証データをとり
 体感で検証追及していた時期だと思います。
 作っては、壊す様子を身をもって知りたいと観察していました。
 
 そんな対応の最中、バイクのモンキーのボルトに錆が出てきたため、
 サンポールに浸してさび落としをしていたところ、
 その日はたまたま、オイルコーティングをし忘れて放置したことにより、
 自分が想像していた以上に速いスピードで錆ていたことに驚かせられました。
 また、塗装をする際にミッチャクロンを使用する時に、
 これまた適当に用意したプラ箱にミッチャクロンを入れたら、
 途端に溶け始め、ケミカルクラックどころの騒ぎでは無かった
 失敗の体験談の思い出があります。
 何か別の目標の行動中でも、偶発的に違う事象の発見・気付きが行われ、
 それを体感した成長の積み重ねが今の自分だと思います。
 吉村氏の「発見・気付き」を生活・仕事の中心に持ってくると、
 色々知らない事を「体感・経験」することで、
 「前こんなことあったなぁ」っていざというときに思い出し、
 類似事象の対応も可能になり、書籍を読んだだけ、動画を見ただけより、
 きちんと腹落ちをして本質が理解できると感じ、
 私はうんと、その経験が自身のためになっていると感じます。
 書籍・動画だけでは無く、体験による経験を培うのが設計者スキル向上には
 やはり必須だなって感じております。