古い設備トラブルシリーズ【第1|10回】 古い設備の部品が壊れたときの対処法 ― 設備停止を最短で復旧するための現場判断 ―
現場の悩み
現場で最も焦る瞬間の一つが
「設備が止まった」
という状況です。
特に古い設備では、次のようなケースが多くあります。
突然異音がして停止した
部品が破損している
予備部品がない
図面も残っていない
このとき現場では
「どうすればいいのか分からない」
という状態に陥ることがあります。
そして最も大きな問題は
時間がないこと
です。
設備が止まれば
生産が止まる
納期に影響する
信用問題につながる
そのため、迅速かつ正確な判断が求められます。
問題の原因
古い設備でトラブル対応が難しくなる原因は、主に3つあります。
① 設備情報が残っていない
図面がない
部品リストがない
仕様が不明
この状態では、部品の特定すら困難になります。
② 部品供給が止まっている
古い設備では
メーカー廃盤
部品供給終了
というケースが多くあります。
③ 現場判断に依存している
経験豊富な担当者がいれば対応できますが
担当者不在
世代交代
などにより、対応できないケースも増えています。
解決方法(技術解説)
設備トラブル時は、次の手順で対応することが重要です。
① まず「止める判断」をする
無理に動かし続けると
二次破損
被害拡大
につながる可能性があります。
異常を感じたら
一度確実に停止する
ことが重要です。
② 破損箇所を特定する
次に行うのは
どの部品が原因かを特定すること
です。
確認ポイントは
異音の発生源
摩耗・破損の有無
周辺部品の状態
ここで重要なのは
原因と結果を切り分けること
です。
③ 応急対応か恒久対応かを判断する
復旧方法には2種類あります。
応急対応(とりあえず動かす)
恒久対応(根本的に直す)
例えば
溶接補修 → 応急対応
新規部品製作 → 恒久対応
生産状況に応じて判断します。
④ 部品復元の可否を判断する
部品が壊れている場合は
修理可能か
新規製作が必要か
を判断します。
図面がなくても
現物測定
3Dスキャン
設計再構築
により、多くの場合は製作可能です。
⑤ 再発防止を考える
復旧後に重要なのが
なぜ壊れたのかを分析すること
です。
原因を放置すると、再び同じトラブルが発生します。
実際の事例
ある町工場で、搬送設備のローラー軸が破損しました。
状況は次の通りです。
設備は約30年前
図面なし
予備部品なし
現場では最初、溶接による補修を検討していました。
しかし調査の結果
軸が疲労破壊している
材料強度が不足している
ことが分かりました。
そこで
現物測定
CAD図面化
材料変更(強度向上)
を行い、新規製作しました。
結果として
設備復旧
再発防止
の両方を実現できました。
技術者の視点(設計思想)
設備トラブル対応で重要なのは
「早く直す」と「正しく直す」のバランス
です。
応急対応だけでは
再発リスクが高い
一方で恒久対応だけを考えると
復旧が遅れる
そのため
段階的対応(応急→恒久)
という考え方が有効です。
暗黙知の形式知化の重要性
今回のようなトラブルは
経験者がいれば対応できる
しかし再現性がない
という問題があります。
対応内容を
図面
手順書
設備データ
として残すことで
誰でも対応できる状態
を作ることができます。
トヨタの「自工程完結」の考え方
トヨタの「自工程完結」では
問題を次工程に流さない
ことが重要です。
設備トラブルでも同様に
原因を特定する
再発防止する
ことで、次のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
古い設備の部品が壊れたときは、次の手順で対応します。
設備を安全に停止する
破損箇所を特定する
応急対応と恒久対応を判断する
部品復元を検討する
再発防止を行う
設備トラブルは避けられませんが
対応力によって被害は大きく変わります。
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