現場の悩み
設備トラブルでよくあるのが、次の一言です。
「その部品、もう供給終了です」
メーカーに問い合わせた結果
廃盤になっている
在庫がない
後継機種もない
こう言われた瞬間、現場では一気に選択肢が狭まります。
設備を更新するしかないのか?
何百万円の投資が必要になるのか?
今すぐ止まっている設備はどうするのか?
特に中小メーカーや町工場では
「設備更新は簡単にできない」
という現実があります。

問題の原因
メーカーが部品供給をやめる理由は、主に次の通りです。

① 設備の生産終了
設備メーカーは一定期間を過ぎると
製造終了
サポート終了
となります。
一般的には10〜20年程度で部品供給が止まることもあります。

② 在庫の枯渇
補修部品は在庫で対応しているケースが多く
在庫がなくなれば終了
となります。

③ 設計データが残っていない
古い設備では
図面が保管されていない
データ形式が古い
などの理由で、メーカー側でも対応できない場合があります。

解決方法(技術解説)
メーカー供給が止まった場合でも、実務的には次の3つの対策があります。

① 現物から部品を復元する
最も現実的な方法が
リバースエンジニアリング
です。
具体的には
現物測定
CAD図面化
部品製作
を行います。
図面がなくても、多くの部品はこの方法で再製作が可能です。

② 部品を再設計する
単純なコピーでは対応できない場合は
設計を見直して新規設計する
方法があります。
例えば
材料の見直し
強度の改善
構造の簡素化
などです。
結果として
元の部品よりも良い性能になることもあります。

③ 汎用部品へ置き換える
一部の部品は
ベアリング
モーター
ボルト類
など、汎用品に置き換えることが可能です。
この場合
入手性向上
コスト削減
といったメリットがあります。

実際の事例
ある中小メーカーで、海外製設備のギアボックス内部部品が破損しました。
メーカーに問い合わせたところ
部品供給終了
修理不可
という回答でした。
そこで
分解して現物確認
摩耗状況を分析
歯車形状を測定
を行い、図面を作成しました。
さらに
材料を高強度材に変更
表面処理を追加
して再製作しました。
結果として
設備は復旧
耐久性も向上
し、現在も継続使用できています。

技術者の視点(設計思想)
ここで重要なのは
「メーカーが作れない」=「作れない」ではない
ということです。
メーカーは
採算
標準化
サポート期間
で判断しています。
一方で現場は
「その設備を動かすこと」
が目的です。
そのため
個別設計
小ロット製作
というアプローチが有効になります。

暗黙知の形式知化の重要性
今回のようなケースでは
設備情報が属人化している
図面が残っていない
という問題が背景にあります。
復元時に
CADデータ
図面
材料情報
を残すことで、次回のトラブル対応が大きく変わります。

トヨタの品質設計の考え方
再設計を行う際には
FMEA(故障モード分析)
DRBFM(設計変更点の検証)
などの考え方が重要です。
例えば
なぜ壊れたのか
どこが弱点だったのか
を分析することで
再発しない設計
が可能になります。

まとめ
メーカーが部品供給をやめた場合でも、対応方法はあります。
現物から復元する
再設計する
汎用品へ置き換える
設備更新しか選択肢がないと思われがちですが
設計技術によって設備は継続使用できます。

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