古い設備トラブルシリーズ【第10回|最終回】 設備トラブルが起きる設計の共通点 ― 「壊れる設計」と「止まらない設計」の決定的な違い ―
現場の悩み
これまでのシリーズで
部品が手に入らない
同じ箇所が何度も壊れる
修理しても再発する
といった問題を見てきました。
そして現場では、最終的にこう感じることが多いはずです。
「なぜこの設備はトラブルが多いのか?」
実はこれには共通点があります。
問題の原因
トラブルが多い設備には、設計上の共通点があります。
① 想定が甘い設計
使用条件を甘く見ている
実際の負荷を考慮していない
結果として
設計値と現場の乖離
が起きます。
② メンテナンスを考えていない
分解しにくい
調整しにくい
交換しづらい
これにより
正しい運用ができない設備
になります。
③ 部品の入手性を無視している
専用部品が多い
特殊規格に依存している
結果として
止まったら終わりの設備
になります。
④ 変更に弱い設計
条件が変わるとすぐ破綻する
余裕がない
これにより
現場の変化に対応できない設備
になります。
解決方法(技術解説)
では、トラブルが起きない設計とは何か。
ポイントは4つです。
① 実際の使用条件で設計する
カタログ値ではなく現場基準
想定より厳しい条件で設計
これにより
現場とのズレをなくす
ことができます。
② メンテナンス性を設計に組み込む
分解しやすい構造
調整機構の設置
消耗品交換の簡略化
これにより
設備を維持できる設計
になります。
③ 標準化・汎用化する
JIS規格部品の活用
汎用品への置き換え
特殊部品の削減
これにより
調達リスクを下げる
ことができます。
④ 余裕を持たせる(設計マージン)
強度余裕
熱余裕
動作余裕
これにより
変化に強い設備
になります。
実際の事例
ある現場で、同じ設備でも
トラブルが多いライン
安定しているライン
がありました。
調査すると
負荷条件が違う
メンテナンス性が違う
部品仕様が微妙に違う
という差がありました。
対応として
条件を統一
部品仕様を見直し
メンテナンス改善
を行った結果
トラブルが大幅に減少
しました。
技術者の視点(設計思想)
最も重要なのは
「壊れない設計」ではなく「止まらない設計」
です。
壊れてもすぐ直せる
部品がすぐ手に入る
現場で対応できる
この状態を作ることが
本当の設計力です。
暗黙知の形式知化の重要性
トラブルが多い現場には
必ず“経験”があります。
ここは弱い
ここは注意
こうすると壊れる
これを
図面
設計基準
ルール
として残すことで
次のトラブルを防ぐ設計資産
になります。
トヨタの「自工程完結」の考え方
トラブルの本質は
後工程任せ
にあります。
壊れたら直す
問題が出たら対応する
ではなく
壊れないように作る
問題を前で止める
これが
自工程完結の考え方です。
トヨタの品質設計(FMEA・DRBFM・FTA)
トラブルを防ぐ設計では
FMEA:壊れ方を事前に洗い出す
DRBFM:変更点を徹底的に検証する
FTA:トラブルの原因を構造的に分析する
これらを活用することで
再発しない設計
が可能になります。
まとめ
設備トラブルが起きる設計の共通点は明確です。
想定が甘い
メンテナンスを考えていない
入手性を無視している
余裕がない
そして解決の本質は
現場を起点に設計すること
です。
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